- 企業法務
- 2025.03.17
中小企業にも顧問弁護士?わかりやすく解説

中小企業の経営者が直面する問題の中には、契約トラブルや労働問題など、法的な問題が含まれます。このような法的な問題を予防もしくは迅速に対応するためには、法律の専門家である弁護士と顧問契約を行うことが有効です。しかし、中小企業においては、コスト面等から弁護士との顧問契約を躊躇する企業が多いのが実情です。
では、中小企業に顧問弁護士は必要なのでしょうか?本コラムでは、顧問弁護士が必要となる場面や顧問弁護士を置くメリットについて解説します。
目次
1. 顧問弁護士とは?
顧問弁護士とは、企業や個人と弁護士との間で締結した顧問契約に基づき、継続的に法律相談やトラブルの対応を行う弁護士のことです。
一般的な顧問弁護士の業務には、企業からの相談に対し法的な助言を行うことや、取引の際に締結する契約書のリーガルチェックなどの業務があります。
企業にとって顧問弁護士を置くことは、トラブル発生時の迅速な対応だけでなく、リスクの未然防止に役立つ重要な選択肢といえます。
2. 顧問契約が必要となる場合
以下では、顧問弁護士が必要とされる代表的な場面を3点ご紹介します。
2-1 契約書の作成及びリーガルチェックによるリスク対策
契約の締結時に契約書を取り交わさず口頭の約束やメールでのやり取りだけで進めてしまう企業も多々見受けられますが、法的に危険な場合が多いです。
また、契約書を取り交した場合であっても、自己に不利な契約書を取り交した場合には、知らず知らずのうちに想定外のリスクを負っている可能性があります。
特に中小企業では取引先との力関係で契約書内容を一方的に決められるケースもあります。
弁護士などの専門家に相談し、不利な内容が含まれていないか確認することをお勧めします。
2-2 労働契約書や就業規則など社内規則の整備労務管理
労働法は企業と従業員との関係を規律する重要な法律です。
労働契約書や就業規則の作成は当然ながら、昨今問題となっているハラスメントに対する対策や近時の法改正に柔軟に対応する必要があります。
労務問題は企業にとって大きなリスクとなり得るため、弁護士のアドバイスを受けながら対応を進めることが重要です。
2-3 債権回収
債務者が売買代金や請負代金等を支払わない場合には、債権者は、法的な手段によって債権を回収することができます。
債権回収には迅速な対応が求められることが多いため、債権回収の都度、弁護士を探し依頼するよりも、その企業の事業や契約書に精通した顧問弁護士が対応する方が、債権回収をスムーズに進めることができます。
3. 顧問弁護士を置くメリット
顧問弁護士を置くメリットについて、弊所で顧問契約を締結した場合を参考にご紹介いたします。
3-1 予防法務
法的な問題が生じてから弁護士を探そうとすると、手間や時間がかかるうえ、信頼できる弁護士をすぐに見つけられるとは限りません。
顧問弁護士がいれば法務に関する正確な知識や理解の補充、法律文献や法務情報の提供など、電話やメールで日々の業務に関する相談や顧問先での訪問相談も優先的に対応いたします。
3-2 適切な判断・迅速性
顧問弁護士が継続的な相談を受けることにより、顧問先の業界や会社内部の事情を把握することができるため、法的問題が生じた際には、適切な判断や迅速な解決が可能となります。
また、夜間等に想定外の事態が発生した場合や顧問弁護士との即時の協議が必要な場合などに備えて、24時間365日対応可能な緊急の連絡先をお伝えしております。
3-3 会社の信頼性の向上
印刷物やホームページに顧問弁護士として氏名を記載いただくことが可能となります。
顧問弁護士の存在を取引先の会社や従業員に示すことは、企業として法令順守の意識を持っていることを内外に示すことにつながり、ひいては会社の信頼を獲得できます。
また、不当請求を受けることの予防にもつながります。
3-4 福利厚生
会社の経営相談のみならず、経営者様の個人的な相談もお受けすることができます。
また、プランによっては役員・従業員の方やそのご家族の方からの個人的な相談も受けることができ、役員・従業員に対する会社の福利厚生として機能いたします(ただし、会社と従業員の方との間の労働問題のように利益相反が生じるおそれがある場合など、ご相談をお受けできないこともあります。)。
その他、セミナー・社内研修の開催や講演の依頼などもお受けしております。
3-5 コスト削減
お支払いいただく顧問料は税法上の経費として計上できます。
また、会社従業員のどなたからでもお気軽に相談・依頼することができ、法務担当の従業員を雇用する必要がなくなるため、従業員の雇用コストの削減にもつながります。
契約書作成等の手続き費用が生じた際や事件としてご依頼いただく場合には、通常の費用から一定の額を割り引かせていただきます。
まとめ
企業が取引を行う際には、様々な観点でリスクを想定し検討したうえで、取捨選択をしていますが、法的なリスクの想定には専門的な知識が要求されるため、取引行為の取捨選択において法的なリスクが検討されないことが多々あります。
このような問題に対応するためには、信頼できる専門家(弁護士、税理士、社会保険労務士など)とのネットワークを築いておくことが有効です。
KTGグループは士業を中心とした専門家集団です。「困ったことがあればKTGに相談すれば安心」とお客様に思っていただけるような、ワンストップサービスを提供しています。
まずは、本コラムを参考に、自社の法務リスクを見直してみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。